「国民一体で解決を」 拉致被害者の家族会が集会
2007年 03月 11日
「相変わらずの不誠実な対応」「国民は一体になって」-。拉致問題での進展がないまま終わった日朝の国交正常化をめぐる作業部会を受けて、拉致被害者の「家族会」と支援組織「救う会」は10日、都内で集会を開催。家族からは、「拉致問題は解決済み」との態度に終始した北朝鮮に対する怒りと、さらなる世論の支持を訴える声が上がった。
日朝協議で、北朝鮮側は「日本の立場は決して受け入れることはできない」と日本側を非難、誠意のかけらも示さなかった。こうした対応は家族にとって「想定済み」だったとはいえ、怒りは強い。
松本京子さん=拉致当時(29)=の兄、孟さん(60)は「私たちは(救出に)命をかけている。外務省の人たちは、『日本はこうなんだ』ということをきつく、激しくやってほしい。ただ仕事で行くのではなく、命をかけてやってほしい」と厳しい表情で訴えた。
良好な話し合いが演出された米朝協議と対照的な日朝協議に、「日本の孤立化」とみる声が国内で出始めていることについては、懸念の声が上がった。
家族会代表で、横田めぐみさん=同(13)=の父、滋さん(74)は「孤立化しているのは北朝鮮。(日本は)一枚岩になってほしい。北朝鮮から見て日本の世論が割れているというようなことがないようにしてほしい」と述べ、改めて支持を訴えた。
支援組織「救う会」の西岡力副会長は「孤立しているのは金正日総書記だ」としたうえで、「日本政府の制裁を断固支持し、より強い制裁を求めていく」と語った。
(2007/03/11 00:13)