増やせ公認会計士 計画5万人「女性活用」
2007年 03月 11日
カネボウや日興コーディアルグループなどの粉飾決算で何かと風当たりが強くなっている監査法人業界は、実は深刻な人手不足だ。さらに、平成20年度決算からは、上場企業の内部統制も監査の対象となるなど、公認会計士不足に拍車がかかる。こうした状況に公認会計士・監査審査会などが人材確保に本腰を入れ始めた。すでに社会人が受験しやすいように試験制度が改革されたが、新年度からは女子校での“出張授業”も検討されている。日本公認会計士協会でも、現役会計士を大学に講師派遣するなどリクルーティング活動に取り組む方針だ。(納富優香)
需要高まる監査法人 人手不足解消へ本腰
審査会は4月以降、大学に加え高校での説明会を積極化する。特に重視しているのは「女性の活用」だ。
審査会では「少子化の中で会計士全体の数を増やすには、女性や社会人経験者の開拓は不可欠」と強調。難関資格で有資格者は復職しやすいことなどをアピールし、女子大や女子高での説明会も企画する方針だ。さらに、上場企業での経理、財務経験が7年以上あると一部科目免除が受けられる新試験制度についても広報を強化し、社会人の受験者増も図る。
公認会計士協会によると、2月末現在の公認会計士は1万7274人。金融庁では平成30年度に会計士5万人を確保する計画だが、実現には疑問符が付いている。
そこで目を付けたのが女性の活用だ。現在、女性の公認会計士は1798人で全体の10・4%にすぎない。また、最終試験合格者に占める女性比率は、最近は2割程度で推移しているが、圧倒的に男性が多く、開拓の余地があると判断した。
審査会や会計士協会の危機感の背景にあるのは、会計士の役割に対する社会的要請の高まりで人手不足が深刻化していることだ。
米国ではエンロン事件で市場に会計不信が広がり会計監査の厳格化が進んだが、圧倒的に会計士の数が足りない日本では監査の厳格化はなかなか進まない。この一方でコンサルタントや行政機関、大学教授などにも活躍の場が広がっており、会計士の監査業務以外への人材流出が激しくなっている。
このため、協会などが人材確保に乗り出したわけだが、「いたずらに門戸を広げれば質の低下を招く」(審査会)との懸念もあり、質と量の確保が課題となる。
(2007/03/11 03:11)
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