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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

「養子」 民間事業者が縁結び 養親希望者が登録

子育て|教育・福祉|Sankei WEB


 親が養育できない新生児を匿名で受け入れる、いわゆる「赤ちゃんポスト」(こうのとりのゆりかご)が、国内で初めて熊本市に誕生する。親が育てられない子供がいて、子供を育てたい親がいる以上、相談をきっかけに両者が結ばれる可能性もある。両者はどのように出会い、“親子”になっていくのだろうか。(村島有紀)

理念・費用などに差も

 ポストを設置する熊本市の慈恵病院は、これまでも24時間態勢で、望まない妊娠に悩む女性からの相談を受け付けていた。「相談を通じて、母親と子供にとって最良の選択をするよう導く」(田尻由貴子看護部長)という考え方だ。

 実親が子供を育てられない場合、大きく分けて2つの対応がある。1つは、児童相談所を通じて乳児院または里親のもとで養育する、もう1つは、民間の養子斡旋(あっせん)事業者を通じて養親(ようしん)を探す-という方法だ。

 同病院の蓮田太二理事長は「養親にとっても、赤ちゃんにとっても早いうちに、きずなを結ぶことが大切」と話し、児童相談所に保護されて施設で長く育つよりも、生後すぐに養親に引き取られたほうが、双方にとって良いという立場だ。これまでも数件、養子縁組を斡旋する組織や団体に、親が育てられない赤ちゃんを紹介してきた。

 その一つ、岡山県ベビー救済協会は平成4年、日本産婦人科医会岡山県支部が、社会福祉活動の一環として設立。約300件の特別養子縁組を斡旋し、現在も約130人の養親希望者が、赤ちゃんの誕生を待つという。

 協会によると、子供を育てたい夫婦は、不妊治療を行っている産婦人科や児童相談所の職員などからの口コミで同協会の存在を知り、電話をかけてくる。養親になる決心がつけば、「養親申込書」に住所や氏名、養子縁組希望動機などを記入して登録、協会で面接を行う。

 一方、養子候補となる赤ちゃんの情報は、出産前から各地の産婦人科からもたらされ、出産入院中に実母から了解を得る。基本的に、生後7~10日以内に赤ちゃんを引き渡すという。

 「赤ちゃんをいつ紹介できるかは基本的に『順番』。ただ事情によっては早くなることもある」(事務局)としている。

 厚生労働省によると、養子斡旋は、社会福祉法にある「児童の福祉の増進について相談に応じる事業」に該当し、都道府県・政令指定都市に届け出すること求めている。

 しかし、実際に届け出をしているのは、ベビー救済協会を含め、国際養子を主に扱う社団法人や、児童相談所と連携し里親活動を中心に行う団体など、全国8事業者だけ。厚労省の委託を受けて実態調査を行った「養子と里親を考える会」の調べでは、無届けで養子縁組を紹介している個人や団体が少なくとも12カ所あった。

 事業者は、それぞれが個々の考えで運営しており、養親の選択や手続きの仕方、かかる費用はまちまちだ。厚労省によると、通信費や交通費といった実費は養親が負担するほかに、8事業者すべてが寄付金を受け付けていた。金額は最高150万円で、平均は約30万円。同省は「『高額な寄付金を斡旋の条件にされた』などの金銭トラブルもあった」とし、都道府県・政令指定都市に対し、事業の届け出促進と、営利目的の禁止-などの指導を昨年行った。

 16年度の1年間に、8事業者を通じて特別養子縁組を斡旋したケースは73人で、同年に成立した特別養子(322人)の約3割を占める。そのほか、米国など海外の養親に引き取られたケースも23人あった。

 ■奥田安弘・中央大学法科大学院教授(国際家族法)の話 「養子縁組の斡旋は、養親・養子双方に対し、児童心理などの専門家によるカウンセリングを可能な限り実施し、慎重に行うべきだろう。実母の了解も十分に時間をかけることが大切だ。(現状をみると)養子斡旋の規制と奨励の両方を行う法整備が必要だと考える」

 ■養子縁組 「普通養子」と、昭和63年から施行された「特別養子縁組」の制度がある。特別養子縁組の対象は6歳未満。普通養子は、実親との法律上の親子関係を維持したままなのに対し、特別養子は実親との親子関係が完全に無くなり、原則的には復縁ができない。養親から特別養子の申し立てを受けると、家庭裁判所は6カ月以上の試験養育期間を設けて養育状況を調査。家裁での審判により成立する。

(2007/04/12 11:40)
by miya-neta | 2007-04-12 11:40 | 社 会