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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

子供たちもメントレ…新時代の精神論

社会:スポーツ報知


 一流アスリートの勝つための方法論として定着している「メンタルトレーニング」が、最近は一般のスポーツクラブや学校で広がりを見せている。いじめや受験競争など子供たち自身が直面する問題が多い中で「気持ちの強い子に育ってほしい」という保護者らの親心が、近代的なトレーニングにまで興味を向かせているようだ。

 「鼻から大きく深呼吸して」。ボールとたわむれる子供たちがコーチの掛け声のもと、練習始めの約15分間は目を閉じ、静かに精神を集中する。

 東京・墨田区、西東京市など計5校でサッカースクール「クラッキ」を経営する元Jリーガーで慶応大講師の野々村芳和さんは「練習中の目標設定を明確にする。目標に向け、努力するので強い精神力が身に付く」と解説する。元日本代表FW城彰二さんら現役を退いたプロ選手の実技指導のほか、精神鍛錬をメニューに取り入れている。

 スポーツ界のメンタルトレーニングの第一人者の東海大教授・高妻容一氏の推奨を受け、専門スタッフが7種の心理トレーニングを指導している。

 江東区のスクールでは4~12歳まで約50人が受講。プロ経験から得た精神面の重要性について、野々村さんは「実社会でストレスを感じずにいられないのは子供も一緒」と強調。「逃げるのではなく、重圧とうまく付き合える人を幼少時から育てたい」と語った。

 深刻ないじめ問題など近年の教育現場は不安が点在する。小学2年の息子を通わせている江東区の主婦・斉藤久美さんは「学校で何か問題と直面した際、気持ちの強さは重要になると思う。普段から物事にプラス思考に取り組むことを身に付けさせたい」と話した。

 学校の授業に組み込まれたケースもある。静岡市の東海大翔洋中では、今年度から全生徒を対象にメンタルトレーニングを「総合学習」で年3回の集中授業を行う。

 当初サッカー部の練習の一環で導入したが、昨年の受験シーズン前に3年生向けに特別授業を行ったところ「無駄な緊張をせず、試験に臨めた」などと好評を博した。同部顧問の平塚智教諭は「入試前は精神が不安定に陥りやすいが、トレーニングによって力を発揮できる生徒もいる」と指摘した。方法論に基づいた新たな時代の「精神論」の可能性が試されているようだ。

NewsX

(2007年5月6日06時01分 スポーツ報知)
by miya-neta | 2007-05-06 06:01 | 教 育