人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

ネットで講義 「サイバー大」

asahi.com:社会


2007年05月12日14時02分

 すべての講義を録画してインターネットで配信する「サイバー大学」が今春、開学した。いつでもどこでも受けられ、本部がある福岡市に一度も通学することなく卒業できる。遠隔教育に取り組む大学や高校は増えているが、教室との距離を感じさせず中途で脱落させないための試行錯誤が続いている。

 サイバー大は、ソフトバンクの子会社が運営する株式会社立大学で、学長は考古学者の吉村作治氏。IT総合学部と世界遺産学部があり、定員はそれぞれ600人。1期生として計516人が入学した。一般の4年制大学と同じ卒業資格が得られる。

 すべての講義を録画して配信するオンデマンド方式にし、ネットにつながったパソコンさえあれば、時間や場所は問わない。その半面、ネット上の掲示板に質問や意見を書き込んでも返答はすぐにはない。大学側は「教員は毎日定時に質問をチェックして回答し、双方向性は確保される」と説明する。演習(ゼミ)では、一定期間に学生たちが意見を書き込み、教員が最後にまとめるという。

 通信制大学は自学自習が基本のため、卒業率は2割以下とも言われる。サイバー大では「メンター」と呼ばれるスタッフを置き、助言したり励ましのメールを送ったりすることも予定している。

 ネット講義を採り入れる大学は増えている。信州大大学院の情報工学専攻は、修士論文の審査を除けば通学の必要はない。早稲田大人間科学部eスクールも履修の仕方によっては、通学は卒業研究の口頭試問くらいで済む。

 ●いつでもどこでも受講

 04年に開学した八洲学園大(横浜市)は、全講義をリアルタイムに配信する。

 「みなさん、こんにちは」。誰もいない教室に教授の声が響く。そのころ、同大学3年の仲西千春さん(31)は、横浜市にある自宅でパソコンにつないだテレビの画面で受講していた。5分に1回はチャットで「発言」するか、マウスをクリックしないと「退席」と見なされる。

 仲西さんは働くお母さん。土日に集中的に受講する。後から見ることもできるが「すぐに意見や質問を言いたいので、できるだけリアルタイムで受ける」という。

 八洲学園がリアルタイム配信にこだわるのは「臨場感があり、より高い学習意欲をもってもらえる」からだ。これまでの退学者は2%にとどまる。

 通信制高校でも、月2回程度必要な登校(スクーリング)の大半をネット授業で代替する学校が増えている。

 05年開校のウィザス高校(茨城県高萩市、生徒数4200人)もその一つ。テレビ会議方式を使えば、年6日程度の登校で卒業できる。

 山梨県笛吹市の石倉潤樹さん(16)は「自分のペースで受験勉強に励めるのがいい」と話す。ネット授業は週2回、自宅ではなく同校の甲府キャンパスで受ける。「ずっと家にいるとコミュニケーション能力に問題が出てきそう。ある程度学校生活も楽しみたかった」
by miya-neta | 2007-05-12 21:37 | 教 育