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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

米クライスラー、サーベラスに売却合意

asahi.com:愛車


2007年05月14日

 自動車大手ダイムラークライスラーは14日、業績不振に陥っている北米クライスラー部門を、74億ドル(約8900億円)で米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントに売却すると発表した。ダイムラークライスラーは98年に誕生し、大西洋をまたぐ「世紀の合併」とはやされたが、相乗効果を見いだせぬまま合併は、8年半で破綻(はたん)した。


 投資会社は買収先の業績を上向かせた後、株式上場や再売却で利益を得るのが通例。クライスラーの分離・売却方針が表面化した直後には、中国勢まで含む世界の主立った自動車メーカーの名前が買い手として次々に浮上しており、業界再編につながるとの見方が強い。

 発表によると、9月末までにクライスラーを分離したうえでサーベラスが80.1%を出資出資し、ダッジ、ジープなどのブランドも含めて生産・販売を担う。新ダイムラーは新クライスラー株の19.9%を保持しつづけるという。経営の重荷になってきた退職者の医療や年金負担などの「レガシーコスト」は新クライスラーが引き継ぐ。

 ダイムラークライスラーは、「ダイムラー」に社名変更する。ツェッチェ社長は記者会見で「相乗効果は限界だ。今後、高級車メーカーのトップを目指す」と表明。クライスラーを切り離し、巨額投資が必要な環境対応に注力するとともに、利幅が厚く、強みとするメルセデス・ベンツなど高級車や商用車部門にいっそう注力する考えだ。

 新クライスラーの経営には、元クライスラーの最高執行責任者(COO)で、サーベラスの交渉役を務めてきたウォルフガング・ベルンハルト氏が関与する見通し。労組側はサーベラスへの売却に一定の賛意を示したが、ベルンハルト氏は、フォルクスワーゲン(VW)取締役時代も含めて大規模な人員削減などリストラの影がつきまとう。再建がすんなり進むかどうかは未知数だ。

 自動車業界の世界再編を加速させた98年の合併時点では、クライスラーの企業価値は350億ドル程度とされたが、今回は92億ドル程度で投資会社の手に渡ることになり、改めて米自動車業界の退潮ぶりが鮮明になった。

 ものづくりの象徴的存在でもある自動車会社、なかでも米「ビッグ3」の一角が売却されることは、「投資ファンド」が幅をきかせる時代を映し出した。
by miya-neta | 2007-05-14 10:13 | 経 済