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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

大学や学校に「競争原理導入」 教育再生会議第2次報告

asahi.com:教育


2007年06月01日

 政府の教育再生会議(野依良治座長)は1日、総会を開き、安倍首相に第2次報告を提出した。大学や学校に競争原理を導入することで、予算配分の適正化や教員の資質向上をめざすことを提言。授業時数を増やすため必要に応じた土曜授業の実施も打ち出した。現在の「道徳の時間」を新たに「徳育」として教科化するなど、個人の価値観にかかわる分野で国の関与を強めている。ただ、個人の生き方への関与には世論の反発も強いうえ、国の財政事情にも考慮し、当初検討した案よりも大幅に後退した項目も目立つ。

 第2次報告は今年1月の第1次報告を具体化したもので、その内容は6月中に閣議決定する政府の「骨太の方針」に盛り込まれる。

 今回の報告には、第1次報告の目玉の一つだった「ゆとり教育の見直し」のための授業時数10%増について、夏休みの活用や、週5日制を基本としつつ土曜日授業の実施などの具体策が盛り込まれた。

 また、学校への競争原理導入では、成果に応じて国が予算配分することを提唱。競争によってレベルの底上げを図る狙いがあるが、学校間格差が顕在化する恐れもある。

 大学・大学院については「選択と集中による重点投資」と明記。国立大学法人運営費交付金は「基盤的経費を確実に措置する」とする一方で、研究・教育などの評価に基づいて「大幅な傾斜配分を実現する」とした。また、教員の人事・給与の年功序列をやめ、業績連動の給与体系導入を求めている。

 小中学校では「地域の実情に留意」したうえで、教育委員会の判断で学校選択制を導入できるようにし、児童・生徒が多く集まった学校への予算配分を厚くする仕組みを検討。公立学校の教員給与は勤務評価を踏まえ「メリハリある給与体系」にすることも提言し、08年4月をめどに教員給与特別措置法を改正することを打ち出した。

 個人の価値観にかかわる部分では、子どもの凶悪な犯罪やいじめ、学級崩壊などが頻発していることから「規範意識や公共心を身につけることが重要」として、現在の「道徳の時間」を「徳育」として教科化することを目玉に据えた。07年度中に学習指導要領改訂を行う。点数評価はしないが、文科省検定の教科書を使用するとしており、道徳や規範の枠組みを国が「検定」することに異論も出そうだ。

 家族や子育てに関しては、中学校、高校の家庭科で「生命や家族の大切さ、子育ての意義・楽しさを理解する機会を拡充する」と表記。ただ、母乳育児や子守歌の効用をうたった「子育て提言」は、政府・与党内からも異論が噴き出し、最終的に断念した。

     ◇

■第2次報告のポイント

●教育委員会や学校の裁量で、夏休み活用、朝の15分授業、土曜授業を実施して授業時数(コマ数)を10%増やす

●公立学校教員給与は評価を踏まえた体系にする

●教育委員会に「学校問題解決支援チーム」を設置、課題のある子どもや保護者との意思疎通に問題がある場合に解決に当たる

●現在の「道徳の時間」を徳育として教科化する

●全国学力調査の学力不振校に改善計画書を提出させ、国や教委は特別支援を行う

●幼児教育の将来の無償化を総合的に検討する

●大学・大学院での9月入学の大幅促進のため、学校教育法施行規則を改正する

●複数の大学が大学院などを共同設置できる仕組みを創設し、国立大を大胆に再編統合する

●国立大学法人運営費交付金は、基礎的な部分を確実に措置すると同時に、各大学の努力と成果を踏まえた配分になるよう新たな方法を検討する
by miya-neta | 2007-06-01 22:08 | 教 育