大阪大:新学長に哲学者の鷲田清一氏 文科系から初
2007年 06月 05日
大阪大学の新学長に決まった鷲田清一氏=大阪府吹田市の同大で4日、北村隆夫撮影
宮原秀夫学長(63)の任期満了に伴う大阪大(大阪府吹田市)の学長選挙が4日行われ、第16代学長に鷲田清一・副学長(57)=臨床哲学、倫理学=が選出された。任期は8月26日から4年間。阪大で文科系学者が学長になるのは、1931年の創立以来初めて。
鷲田氏は72年に京都大文学部哲学科卒業。74年、同大大学院文学研究科修士課程を修了し、関西大文学部教授を経て92年に阪大文学部助教授。96年同教授、03年大学院文学研究科長、04年から副学長を務めている。社会問題を哲学的にとらえ、市民とともに現場で考える「臨床哲学」を提唱。「時代のきしみ--<わたし>と国家のあいだ」など多数の著書がある。
鷲田氏は会見で「産学連携と、市民とともに歩む阪大という『社学連携』を大切にして、ここで学んでよかったといえる大学にしたい」と抱負を語った。【野田武】
毎日新聞 2007年6月4日 21時22分 (最終更新時間 6月4日 21時33分)