社保庁、手書きの年金台帳83万件を違法に廃棄
2007年 06月 22日
2007年06月22日
社会保険庁が1959年から82年ごろにかけ、厚生年金の記録の原簿にあたる手書きの「被保険者台帳」83万件を、マイクロフィルム化や磁気テープ化せず、違法に廃棄していたことが22日分かった。現時点で90歳以上の人の記録とみられ、社保庁は「いずれも本人が受給年齢に達し、年金額の確定後に捨てた」としているが、内訳の分からないものも12万件含まれ、追加調査を行う。
社民党の福島党首の問い合わせに答えた。
社保庁によれば、個人の厚生年金記録を事業所単位でまとめた「被保険者名簿」が別にあるため、今後実施するコンピューター上のデータと原簿の記録を照合する作業に支障はないという。
手書きの被保険者台帳は42~54年に3229万件つくられた。しかし、69~77年にかけてマイクロフィルムや磁気テープに変換されたのは3119万件。その差110万件のうち27万件は農林共済に移管されたが、残る83万件のうち71万件は受給額を決める時に使われた書類の束に挟みこまれたまま、保存期間が過ぎて廃棄されたという。
しかも、社保庁に残された業務処理要領には、83万件のうち12万件については「その他」とあるだけで、どういう理由で捨てられたのか分からないという。