人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

ケチな改革が教育をダメにする【前編】 広田照幸

(広田教授の「教育も、教育改革もけしからん」):NBonline(日経ビジネス オンライン)


2007年6月29日 金曜日 広田 照幸, 斎藤 哲也

 私は、教育社会学という分野を研究しています。今日から「日経ビジネスオンライン」でしばらくの間、昨今の「教育」について思うところを率直に語らせていただくことになりました。


広田照幸教授
 教育は、現在もっとも注目される話題といえるでしょう。たしかに、ふだん、教育のニュースにはこと欠きません。安倍首相の肝いりでつくられた教育再生会議、昨年末に通過した改正教育基本法、未履修問題、いじめ問題……、これだけ大騒ぎされているのだから、よっぽどいまの教育はダメになっているのだろう、とにかく教育のシステムを変えなければならん、と世の中はざわめきたっています。

 でも、はたして本当にそうなんでしょうか? そもそも、「再」び「生」き返らせなければならないほど、日本の教育は瀕死の状態にあるのか? 次々と提案される「改革」案は、果たして現状よりも良い結果をもたらすのか?「再生」というスローガンによる改革が、かえって、日本の教育の息の根を止めることになりはしないのか?

 現在、さまざまな教育改革案が出されています。しかし、それらを目や耳にするたびに、一番大事な「改革」を忘れているんじゃないか、と私は思います。それは、ヒモつきでない金と人を増やすことです。ただでさえ余裕がなくなっている教育現場が、小手先の「改革」続きで疲弊しきっている。それこそが、最大の問題だと思います。

 子ども一人ひとりときちんと向き合うだけの余裕が失われているのが、最大の改善すべき点だと私は思います。

(つづく・・・)
by miya-neta | 2007-06-29 11:37 | 教 育