久間防衛相:原爆投下「しょうがない」を撤回
2007年 07月 01日

久間章生防衛相は1日、地元の長崎県島原市で記者会見し、米国の原爆投下を「しょうがない」と発言したことについて「被爆者を軽く見たような印象を持たれたなら、大変申し訳なかった」と陳謝した。さらに「原爆の問題は例え話や例示として適切ではない。これから先は一切そういう話はしない」と述べ、発言を事実上撤回した。
久間氏はこれに先立ち、フジテレビの番組で発言を釈明しつつ「訂正する必要はない」と語ったが、参院選への影響を懸念する与党内からの強い批判を受け、一転早期の事態収拾を図った。
会見で久間氏は「広島、長崎に落とした核爆弾を是認したわけではない。許せないという気持ちは持っている」と強調。「日本が相手国の意図を見抜けないと取り返しのつかないことになるという例えだったが、原爆の話までしなくてもよかった。私の説明がまずかった」と釈明した。
発言について安倍晋三首相は同日、東京都内で行われた討論会で「国民に誤解を与える発言は厳に慎まなければならない」と指摘する一方「防衛相として、核廃絶に大いに力を発揮していただかなければならない」と述べ、辞任させる考えはないことを明らかにした。【田所柳子】
毎日新聞 2007年7月1日 19時42分 (最終更新時間 7月1日 19時47分)