久間防衛相が最後の訓示 失言に触れず、陳謝なく
2007年 07月 04日
2007年07月04日12時43分
米国による広島、長崎への原爆投下を「しょうがない」と発言して引責辞任を表明した久間防衛相は4日午前、防衛省で離任式に臨み、職員に最後の訓示をした。「在任中に情報流出事案など、国民の信頼を大きく損なう問題が続発したことは誠に遺憾だ。日々、緊張感と責任感をもって職務にあたることを強く要望する」と語ったが、自身の失言をめぐる職員への説明や陳謝の言葉はなかった。
久間氏は午後、防衛省講堂で儀仗(ぎじょう)隊による栄誉礼を受け、就任から9カ月余りで同省を去った。
久間氏の後任に決まった小池百合子・国家安全保障問題担当首相補佐官は同日午前、首相官邸で記者団に「重責をひしひしと感じている。国民に分かりやすく(防衛政策を)伝えると同時に、言葉を選んでいきたい。安倍政権への信頼を高める一翼を担いたい」と抱負を語った。
小池氏は同日午後、皇居での認証式のあと安倍首相から辞令を交付される。防衛省で事務引き継ぎを受け、女性初の防衛担当閣僚として始動する。
一方、民主党は首相の任命責任をただすため、衆院決算行政監視委員会の開催を求めており、与野党は4日午後、同委理事会を開いたが、与党側が難色を示し、調整が続いている。