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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

チンパンジーで老後研究 京大霊長類研が管理へ

asahi.com:健康


2007年07月23日

 チンパンジーを実験動物として利用することが世界的に中止となり、国内の製薬会社などが抱えていた多数のチンパンジーが京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の管理下に置かれることになった。霊長研は、チンパンジーの安らかな「引退生活」を保障したうえで、ヒトにも応用可能な福祉・長寿研究のために役立てたいと考えている。製薬会社の寄付金を受け、8月1日に新たな研究部門を開設する。

 70年代、国内の製薬会社はウイルスや細菌による感染実験や新薬の試験のためなどにチンパンジーを輸入した。しかし、チンパンジーは国際自然保護連合(ICUN)の絶滅危惧(きぐ)種でもあり、ワシントン条約によって日本は80年から輸出入を禁止している。ヒトに最も近い動物を痛めつける生体実験への批判の声が動物愛護団体などを中心に世界的に高まるなか、国内でも昨年から中止になった。

 78年から実験用のチンパンジーを飼育してきた製薬会社の三和化学研究所(本社・名古屋市)は、熊本県宇城(うき)市の宇土半島に82年に飼育施設をつくり、現在3.3ヘクタールの規模となっている。生体実験中止とともに今年4月、施設名称を「熊本霊長類パーク」から「チンパンジー・サンクチュアリ・宇土」に改め、国内5研究施設のチンパンジーも引き取り、計78頭の飼育を続けている。

 チンパンジーの今後の取り扱いについて霊長研の松沢哲郎所長らと協議した結果、同社が5年間に計1億5000万円を寄付し、施設管理を霊長研に任せることにした。霊長研は、チンパンジーに詳しい伊谷原一(いだに・げんいち)・林原(はやしばら)類人猿研究センター所長を講座の客員教授に任命し、老年医療の専門家や飼育環境の専門家をスタッフに迎え入れる。

 飼育環境はチンパンジーの「幸福」を念頭に置いて整備。食事の全体量は変えずにその回数や品目を増やし、季節ごとの変化もつける。また、ハンモックや段ボールなど多様な寝具や遊具を置き、広い運動場も設けるなどして、おりには入れず集団生活をさせる。寄付講座も開設してチンパンジーの福祉や長寿研究に取り組む。過去の実験でC型肝炎ウイルスに感染したチンパンジーが17頭おり、その治療もする。

 松沢所長は「飼育施設にいろいろな工夫をすれば、生活の質が上がる。チンパンジーが天寿を全うするとはどういうことか、彼らチンパンジーと協力して研究し、ひいてはヒトの福祉・長寿研究につなげたい」と話している。
by miya-neta | 2007-07-23 10:48 | 科学/技術