大使とは別人を取材、日朝正常化交渉で共同通信が誤報
2007年 08月 27日
共同通信社が日朝国交正常化交渉担当大使に取材したとして、27日未明に配信した「北朝鮮の大使と中国の大連で非公式に協議した」という内容の記事が、実際は大使とは別人の取材に基づく記事だったことがわかった。
外務省は記事の内容を否定し、共同通信社は同日夕、「事実関係に誤りがあった」として、この記事を取り消した。
問題の記事は、配信先の日本経済新聞など21社に掲載された。
共同通信社によると、同社中国総局(北京)の記者が26日夜、北朝鮮の大使が瀋陽入りしたとの情報を受けて現地に出張したが、日朝両国の大使の滞在を確認できなかった。
過去に両国が接触した主要ホテルを調べたところ、美根慶樹・日朝国交正常化交渉担当大使と姓名とも同じ読み方の人物が滞在していた。記者はその人物と電話で話し、美根大使と判断して記事を書いたという。本人と断定した根拠について、同社は「取材の過程については答えられない」としている。
谷内外務次官は27日の記者会見で「(大使)本人に確認したところ、そういう事実はないし、そもそも取材もなかった」と述べた。
(2007年8月27日22時24分 読売新聞)