最大の破壊力「真空爆弾」投下実験に成功…ロシアが発表
2007年 09月 12日
【モスクワ=瀬口利一】ロシア空軍参謀本部のアレクサンドル・ルクシン次長は11日、露テレビ局「第1チャンネル」の番組で、通常兵器では世界最大の破壊力をもつ「真空爆弾」の投下実験に成功したことを明らかにした。
米軍がアフガニスタンのタリバン掃討作戦などで使用した燃料気化爆弾と同型の兵器とみられる。
東欧諸国へのミサイル防衛配備計画を進める米国や欧州諸国への対抗措置として、ロシア軍の攻撃能力を誇示する狙いがある。
テレビでは、戦略爆撃機Tu―160が爆弾を投下し、爆発が起きる模様が放映された。ルクシン次長は、米軍の同型兵器に比べ、「爆薬は少量で、破壊力は4倍」「核兵器を持つような効果がある」と威力や抑止力のメリットを並べた上で、「国家の安全を守り、いかなる状況、場所でも国際テロに対処できる」と実験の目的を説明した。
プーチン大統領は先月中旬、1992年以来中止していた戦略爆撃機による常時警戒飛行の再開を表明。7月には、欧州通常戦力(CFE)条約の履行停止を宣言し、欧米諸国との関係はさらに悪化している。
(2007年9月12日12時54分 読売新聞)