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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

「国際キログラム原器」が謎の減量50マイクログラム

CNN.co.jp : サイエンス


2007.09.13
Web posted at: 21:34 JST- CNN/AP

「国際キログラム原器」が謎の減量50マイクログラム_b0067585_21225052.jpg 「国際キログラム原器」を前に語るリチャード・デイビス氏
パリ──フランス・パリ郊外のセーブルにある国際度量衡局で、厳重に管理・保管されている1キログラムの標準器「国際キログラム原器」が、50マイクログラム(μg)軽くなっていることが判明した。同時に作られた複製品には変化がなく、質量が変化した原因も見当が付かず、研究者らが困惑している。

質量や長さなど物理量に関しては国際的な単位系(SI)が定められており、例えば長さを表す「メートル」は、「2億9979万2458分の1秒の間に、光が真空中を伝わる距離」といったように、普遍的な物理量に基づいて定義されている。

ところが質量については、1889年に作られた白金(プラチナ)とイリジウムの合金の分銅「国際キログラム原器」が基準となっている。人工物に基づいて定義されている単位は、質量のみだ。

「国際キログラム原器」は質量の基本となる原器のため、国際度量衡局では真空状態にした二重の気密容器中で保管し、質量に変化がないように厳重な注意を払っている。

AP通信によると、変化したとみられる50μグラムは、ほぼ「指紋がついた」質量に匹敵するという。

国際度量衡局の物理学者リチャード・デイビス氏は、「同じ時期に同じ材料から作られ、同じ条件で保管している複製には変化がなく、納得のいく説明がつかない」と話す。

国際度量衡局に保管されている原器は、3重に鍵がかかった金庫の中にあり、ほとんど外に出されることはない。定期的に、世界各地で保管されている公式複製と比較する場合のみ、金庫の外へ出される。

「国際キログラム原器」の質量が変化したことについて、ドイツ計量標準当局のミヒャエル・ボリス研究員も、「原器が軽くなったのか、公式複製が重くなったのか、はっきりしていない」と原因をつかめない様子だ。

さまざまな単位系について、11月初めにパリで審議会が開かれることになっており、「キログラム」についても議論が進められる予定。

「キログラム」の定義については現在、不純物を含まない単結晶を作りやすいケイ素(Si)を用いた、原子質量標準などが、有力な候補に挙がっている。
by miya-neta | 2007-09-13 21:34 | 科学/技術