ダライ・ラマ:米大統領と初めて公の場に 米議会授賞式
2007年 10月 18日
【ワシントン笠原敏彦】チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の功績をたたえ、米議会最高の賞「ゴールド・メダル」を贈る授賞式が17日、ワシントンの議事堂で開かれた。中国政府が内政干渉だと強く反発する中、ブッシュ大統領は授賞式に出席して祝辞を述べ、ダライ・ラマを「平和と寛容の普遍的な象徴」と称賛、中国政府に和解を促す考えを示した。
17日、「ゴールド・メダル」の授賞式でブッシュ米大統領と腕を組んで歩くダライ・ラマ14世=ロイター
現職の米大統領がダライ・ラマと共に公の場に姿を見せたのは初めて。中国は授賞式の中止を求めてきた。その背景にはダライ・ラマが求めるチベットの「高度な自治」に国際社会の関心が集まることへの警戒感があると見られる。
ブッシュ大統領は祝辞で「(チベットの自治を求める)努力が継続中」と述べた上で、ダライ・ラマへのメダル授与により「米国は宗教の自由と基本的人権を求める声を上げた」と指摘した。さらに「中国の指導者にダライ・ラマの中国帰還を歓迎するよう促し続けていく」と語った。
ブッシュ大統領から直接メダルを授与されたダライ・ラマは、謝辞でチベットの独立ではなく「意味のある自治」を求めている姿勢を改めて強調。「北京は私の隠された目標がチベットの分離だと言い立てているが、真実ではない」と訴えた。
同メダルは過去にチャーチル元英首相やネルソン・マンデラ前南アフリカ大統領らが受賞している。
毎日新聞 2007年10月18日 11時12分 (最終更新時間 10月18日 13時12分)