DNA構造発見のワトソン博士が差別発言、会長職を辞任
2007年 10月 26日
【ワシントン=増満浩志】DNAの二重らせん構造の発見者として有名な米分子生物学者ジェームズ・ワトソン博士(79)(1962年、ノーベル生理学・医学賞受賞)が25日、コールド・スプリング・ハーバー研究所(ニューヨーク州)の会長を辞職した。
黒人への差別発言が英紙に報じられて騒ぎになっていたことから、責任をとったものとみられる。
AP通信によると、発言は「アフリカの将来を悲観的に思う。社会政策はすべて、彼らの知性が我々の知性と同じだという事実に基づいているが、すべての実験結果がそうなってはいない」「黒人労働者と付き合わねばならない人なら(対等でないことが)分かる」などというもの。14日付のサンデー・タイムズ紙にインタビュー記事として掲載された。
ワトソン博士は「本意ではない」と謝ったが、同研究所は18日、博士の停職処分を決定。博士は英国で行っていた新著の宣伝活動を中止して帰国していた。
(2007年10月26日10時21分 読売新聞)