初の「自殺対策白書」を閣議決定、2割減目指す
2007年 11月 09日
政府は9日午前の閣議で、近年社会問題化している自殺の傾向や自殺防止対策の取り組み状況などを網羅的にまとめた初の「自殺対策白書」を決定した。
自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)について、1998年に男性が36・5(前年比10・5ポイント増)と急増して以来、女性の比率の2・5倍程度で推移している状況を分析したうえで、政府の対策により2016年までに2割以上減らしたいとしている。
白書は昨年10月に施行された自殺対策基本法に基づき、内閣府が作成した。
国内の自殺者は06年まで9年連続で3万人を超えている。白書では98年に自殺者が前年比で8472人も増え、3万2863人に激増した理由を分析。同年の自殺者は45~64歳の中高年男性が増加しており、動機は経済、生活問題が多かったことから、当時の不況に伴う経済的変動が影響したなどと推測している。
また、白書では今年6月に政府が閣議決定した自殺総合対策大綱に基づく自殺予防の当面の重点策として、適切な精神科医療を受けられるようにするなど9項目を紹介。政府はこれらの対策で、16年までに05年の自殺死亡率(24・2)を20%以上減少させ、自殺者数が2万4000人台になると推計している。
(2007年11月9日13時13分 読売新聞)