「いじめは絶対悪」
2007年 11月 22日
11月22日(木)
先日、岡山市で、高校1年の男子生徒が自殺した。中学時代の先輩に繰り返し現金を要求されていたというし、体には打撲傷が多数あったという。いじめが自殺の原因かどうか分からないが、痛ましいことである。
▽このところ高校生のいじめが増えているそうだ。文部科学省が2006年度にいじめの定義を変えたら、小中高ともに全国的に認知件数がすごく増えた。和歌山県の高校でみると、04年度に11件、05年度に18件だったのが、06年度には59件に激増している。数字だけ見るとびっくりする。
▽これは、いじめの行為をいじめる側から見るか、いじめられる側から見るかという視点の置き方の違いと、認定の幅が広がったことで数字の激増につながったようだ。
▽05年度までの定義は「自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの」だった。06年度からは「児童生徒が一定の人間関係のあるものから心理的・物理的な攻撃を受けたことにより精神的な苦痛を感じているもの」とあり、いじめられる側の立場から認定するようになった。本来そうあるべきだった。
▽いじめをなくすには「いじめは絶対悪」ということを、学校で徹底的に教え込まなければならない。また家庭では、何でも打ち明けられる親子関係を築くことが、いじめという陰湿でたちの悪いウイルスを、絶滅する方法でもあるだろう。(香)
('07/11/22)