いじめ実態、対策探る 県教委会合 教員200人報告
2007年 11月 23日
11月23日午前10時32分
公立小中学校の生徒指導担当教員らが一堂に会し、いじめやその対策について情報交換し話し合う初めての「連絡協議会」が22日、永平寺町の県立大福井キャンパスで開かれた。嶺北地方の学校の約200人が出席し、メールやブログによるトラブルが増加していることや、校内に独自に情報交換の場を設けるなどの取り組みを発表、いじめの対処法を探った。
県教委が開催。分科会では、22のグループに分かれ、教員1人1人が報告。中学校の分科会では、いじめの現状について「メールやブログに個人名が出て、中傷するケースがあった」「今の生徒は自己表現ができず、インターネットなどを使ってうさを晴らす傾向にある」などいじめの潜在化が指摘された。「ブログをチェックしている」と話す教員もいた。
対応策については「学級担任1人の目ではいじめを把握しづらいため、教科担任を交えた情報交換の場を設けた」「1人で抱え込まず学校全体で問題解決に当たるため、いじめを把握したら学年主任らに報告するようマニュアル化している」「保護者へのカウンセリングは効果的」などの声が上がった。
分科会に先立ち全体会が開かれ、県内の今年上半期(4―9月)のいじめ認知件数は公立小学校932件、中学校517件だったことが報告された。県義務教育課の担当者が、いじめの早期発見や学校全体で迅速に対応する必要性を強調。「いじめを生みにくい学級づくりに努めているか、教員自身に反省の余地はないか今一度考えてほしい」と訴えた。
2006年度の本県のいじめ認知件数は、国公私立の小中高校合わせて3640件で、1000人当たりの件数は前年度を35件上回る36・2人となり、全国で2番目に多かった。
嶺南地区は28日、小浜市の県立大小浜キャンパスで開かれる。