温暖化:今世紀末には約6度上昇も…国内予測公表
2008年 01月 08日
地球温暖化の影響により、国内でも今世紀末には気温が最高6度近く上昇するとの予測結果が8日、環境省の専門家委員会で報告された。従来の気象庁予測より最高で約2度高く、より深刻な温暖化を考慮した対策が必要だと指摘している。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が昨年まとめた第4次報告書と共通の予測モデルを使い、国立環境研究所などが試算。IPCCの六つの将来シナリオのうち、化石燃料依存が続いて最も温暖化が進むケースなどを除く三つのシナリオを基に分析した。
その結果、2070~99年の国内平均気温は、1961~90年の平年値と比べて1.3~4.7度高くなり、北海道など高緯度地域では最高5.8度上昇すると予測された。同じ3シナリオで、IPCCは2090~99年に1980~99年に比べて世界平均で1.1~5.4度上昇と予測している。基準が異なるため単純比較はできないが、ほぼ同程度の温暖化が日本国内でも起きることになる。
気象庁が独自モデルに基づき、05年に発表した「異常気象レポート」では、2081~2100年の気温は1981~2000年の平年値と比べて2~3度(北海道の一部で4度)程度上昇すると予測。この場合、熱帯夜が最大40日増え、真冬日が最大50日減る。また、1日に100ミリ以上の豪雨日数が一部地域を除いて増加する一方、無降水日も北日本の日本海側や南西諸島など多くの地域で増えるとしている。
一方、今世紀末の年間降水量予測も報告された。それによると、61~90年の平年値と比べて、地域によっては最大22.4%増える見込み。温暖化で逆に少雨になるケースもあり、全国平均では16.4%増~2.4%減と予測された。【山田大輔】
毎日新聞 2008年1月8日 22時19分