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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

【公教育を問う】第2部(3)理念より指導力向上を

(1/2ページ) - MSN産経ニュース


2008.2.20 19:40

文科省ホームページ 「『理念』は変わりません 『学習指導要領』が変わります」

 文部科学省が昨年11月に作成したパンフレットで「変わらない」と強調されている理念は、「生きる力」だ。文科省はこのパンフレットを140万部作成し、幼稚園から高校までの全教員の手に渡るよう、各学校に送付した。内容は、文科相の諮問機関である中央教育審議会の中間報告をまとめたものだ。

 「生きる力」は、前回改定の指導要領の基となった平成8年の中教審答申で、「ゆとり」とともに教育のキーワードとして提示された。

 授業時間増、学習内容復活で「ゆとり」は転換したにもかかわらず、「生きる力」というあいまいな理念をキャッチフレーズとしていることに批判がある。

 このパンフレットを出したことについて文科省は「現場はこの10年、『生きる力』でやってきた。教師の混乱を避けるためだ」と説明する。

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 「『ゆとり』とか、『生きる力』とか、言葉が踊ってしまった。きれいごとの言葉ではなく、『画一教育をやめて一人一人の個に応じた教育をする』ということをちゃんと打ち出すべきだった」

 こう振り返るのは、「ゆとり教育」のスポークスマンといわれた元文部官僚、寺脇研・京都造形芸術大教授(55)だ。

 今回の学習指導要領改定について寺脇氏は、「授業時間の増加は理解に苦しむ」と批判的な見方を示す。

 「学習指導要領より多く教えても構わないとしていたのに、なぜ増やすのか。あまりに外野の声(ゆとり教育批判)がうるさいので、形をそうせざるを得なかったのではないか」


 寺脇氏は「ゆとり教育が、エリート教育を重視する保守層から攻撃されるのは分かっていた」とした上で、「勉強が面白くなく、学校に居場所がなかった成績中下位層の子供にとってはよかったはず。健全な社会を作るためには落ちこぼれをつくってはダメだ」と持論を展開する。

 その上で、批判を浴びた理由について「一番大きいのは文科省が現場への説明をきちんとしなかったこと」と話す。

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 「ゆとり教育」自体は間違っていなかったとする寺脇氏だが、私学関係者は「現実には成績上位層と下位層の学力格差は広がっている」と指摘。「下位の子供にちゃんと手当した『ゆとり教育』ならよかったが、それがなかったから、寺脇氏の言い分には納得できない」と話す。

 また、塾関係者は「学校5日制など『ゆとり教育』のシステムだけで子供を救うことはできない。救うのは教師という人間で、教師が力を発揮する環境をつくるべきだ。世間の『ゆとり教育』批判は、システムへの批判と教師の指導力など人間への批判がごっちゃになっている」とし、「議論の仕切りなおしが必要だ」と指摘する。

 寺脇氏が言う「説明不足」について、文科省は「10年の改定では、衛星放送のエル・ネットで各都道府県の教育委員会に情報提供して、説明したつもりになっていた」と過ちを認め、「今回、パンフレットを教員に直接送付したのもその反省から。授業時間を増やす理由もきちんと伝え、詰め込みか、ゆとりかという二項対立に終止符を打ちたい」(教育課程課)としている。

 理念が先行しすぎた10年を経て教師の指導力向上を含めた「結果」が強く求められている
by miya-neta | 2008-02-20 19:40 | 教 育