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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

「大阪改革」はどこへ 平松市長、「顔の見えない」就任3カ月

(2ページ)MSN産経ニュース


2008.3.20 00:17

「大阪改革」はどこへ 平松市長、「顔の見えない」就任3カ月_b0067585_11213120.jpg平松大阪市長が職員の裏金問題やカードリーダー不正打刻に関して記者会見した平松大阪市長=10日午後2時32分、大阪市北区

 平松邦夫市長が大阪市長に就任し、19日で3カ月。当初予算を審議する市議会の論戦も山場を越えつつあるが、少数与党の平松市長は、独自色を極力抑えた「守り」に徹している。選挙期間中から、前任者の行財政改革について「改革は続けるが必要なものは見直す」と主張してきたが、現在の守りの姿勢には庁内から「反発を招いてでも、長期的な視野に立って推し進めていくような改革は望めない」と、改革の減速を懸念する声が強まっている。

甘い経営計画

 「こんな計画を平気で出してくるなんて、どういうつもりや」

 前任の関淳一市長のもとで市政改革を担ってきた担当者は、平松市長の就任後に民営化の話が取り消された市営地下鉄事業について、市交通局が市議会直前に示した中期経営計画に不快感を隠さなかった。

 提示された計画からは、これまで検討していた人員削減目標などがなくなっていた。それどころか新規採用も見込んだ平成23年度の人件費は、19年度から3億円以上増え545億円になるという内容だ。

 また21年度以降の3カ年で地下鉄事業から計221億円を赤字のバス事業に投入するが、前提になっていたバス路線見直しや全職員対象の3~10%の給与カットも触れてはいなかった。

 「改革派といわれ民営化を前提に改革を進めようとしてきた職員が、(市長という後ろ盾を失って)急速に力を失ったのだろう」と、自民市議は分析する。


懸案は山積

 大阪市は、関前市長が作成した現行の市政改革マニフェストを達成したとしても、23年度以降財源不足に陥る。それを避ける手だては、大阪府が太田房江知事時代に使った「禁じ手」。将来の借金返済のために、積み立てた公債償還基金から借入するという、自らの足を食うやり方だ。

 平松市長は今議会で、基金からの借入には「極力頼らない」とする姿勢を示したが、その支えとなる解決策は示しておらず、努力目標の範囲を出ていない。

 そもそも現行マニフェストでさえ、経常経費の900億円削減という目標を達成するには職員の昇給停止などの政治判断を避けられないとみられるが、これに対しても具体的な意思表明はまだない。

 今後、市長が決断を迫られる場面は次々続く。来年度早々に迫る第3セクター「大阪ワールドトレードセンター」(大阪市住之江区)の最終処理案決定。さらに、次期マニフェストの策定に向けて今年の秋までに設立するとしている外部委員会の人選など。いずれもどの選択肢を選んでも反発は避けられず、一度決めた方針を貫くにはぶれない決意が必要だ。

改革減速を懸念

 市議会で少数与党の平松市長にとって、今議会の最優先課題は「来年度予算案を通す」。そのため、会期中の同意取り付けに意欲を示していた4月以降の3人目の副市長人事の提案も見送った。ほとんどは市長就任前の問題である裏金問題でも頭を下げ続けている。

 各方面と衝突することを極力避けた「さざなみスタート」。その効果は「野党」からも好意的な声が聞かれるようになるなど、ないとはいえない。

 しかし、市政改革の継承を掲げながら、「振れすぎた振り子は、戻す必要がある」と常々語る平松市長が、行財政改革の新しい波をどこまで起こせるかについては、肝心の改革推進役の市幹部に懐疑的な見方が広がっている。

 ある市幹部は「平松市長は行財政改革のブレーキを踏むわけでもないけれどアクセルも踏まない。ギアをニュートラルに入れたまま、惰性運転を続けている。それでは減速は避けられない。市のような巨大な行政組織は、いったん改革の動きを止めてしまうと再スタートさせるのは本当に難しいのだが」と話している。
by miya-neta | 2008-03-20 00:17 | 政 治