人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

「脱ゆとり」先取り、高校高学年向け教科書の検定結果公表

社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


 文部科学省は25日、来春から使用される高校高学年向けの教科書を審査する2007年度の検定結果を公表した。

 今回の検定は、ゆとり教育を掲げた現行の学習指導要領の下では事実上最後で、「脱ゆとり」を先取りし、数学や国語、英語などの主要教科で難易度を引き上げるなどした教科書が多かった。また美術家の横尾忠則氏のポスターが「健全な情操の育成に配慮を欠く」として差し替えられるなど、細かな表現や記述に検定意見が付くケースが目立ち、検定制度のあり方についても改めて議論を呼ぶことになりそうだ。

 今回の検定には、主に高校3年生が使用する教科書として国語、数学、理科、英語、芸術、工業、商業の7教科48点の申請があり、東京書籍の「生物2」1点が「誤りや不正確な記述が多い」として不合格となったほかは合格した。昨年、沖縄戦の集団自決を巡る記述が問題になった社会は今回、申請の対象とならなかった。小学校の教科書も対象だったが、11年度から新しい学習指導要領が実施されることから申請はなかった。

 難易度については、「ゆとり教育によって教える内容が減っても、大学受験の難易度は変わらない」との現場からの要請を受けてレベルを引き上げた教科書が多く、数学3では、学習指導要領の範囲外の内容を大幅に増やすなどした教科書が11点中7点に上った。英語のリーディングも、三省堂が新しく学ぶ英単語を2割増の1155語にするなど全15点平均でページ数が3・8%増加した。

 今回目立ったのは、教科書会社側が想定もしていない個所に意見が付いた点。日本文教出版の「美術3」では、横尾忠則氏のポスター「暗黒舞踏派 ガルメラ商会」にあった「私の娘展示即売会場」という一文が、「健全な情操の育成に配慮を欠いている」として、ほかの作品に差し替えられた。光村図書出版の「美術3」でも、たばこを手にしていた写真家の肖像写真に意見が付き、画像を修整してたばこの部分だけを削除した。

 こうした検定意見について、文科省教科書課は「作品の表現上の価値を考慮したうえで、検定基準に基づいて判断した」とコメントしている。

(2008年3月25日23時21分 読売新聞)
by miya-neta | 2008-03-25 23:21 | 教 育