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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

大阪府財政再建案、「改革容赦せず」に戸惑い──「教育日本一の目標どこへ」

日経ネット関西版


2008/04/12配信

大阪府の改革試案を受けて記者会見する大阪中高連の平岡会長(左)ら=11日午後、大阪市都島区
大阪府の橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)が11日発表した大規模な歳出削減を求める改革試案。私学助成の削減や市町村への補助事業の見直しなど府民生活を直撃する内容も盛り込まれ、府財政の厳しさを映した容赦ない切り込みぶりに衝撃が広がった関係団体や自治体からは、反発や戸惑いの声が上がった。

●私学

 「私学助成の削減は大阪教育の危機だ」。11日午後、大阪私立中学校高等学校連合会は緊急の記者会見を開き、平岡正巳会長らが私学助成の削減を批判した。

 私立清風南海中・高校の校長も務める平岡会長は「私学側は削減努力を重ねている。経常費助成が削減されれば授業料を値上げせざるを得ない」と厳しい表情。「教育日本一を目指す知事の方針に反するのではないか」と皮肉った。

 さらに来年度から縮小する授業料の軽減助成を受ける私立高校生は、私学全体の半数近い約3万3700人(2006年度)。大阪私立中学校高等学校保護者会連合会の小林成共顧問は「知事は子供たちを笑顔にするという公約を守ってほしい」と訴える。全国各地の保護者からも「大阪の教育は大丈夫か」と心配する電話が絶えないという。

●市町村

 「橋下知事に言うべきことは言っていきたい」と、大阪市の平松邦夫市長は感想を求める報道陣を前にきっぱり。「(高齢者医療費の補助金カットなどは)市民サービスを手掛ける市町村に影響が出るのではないか」と懸念する。市民の負担が増えることになれば反発は必至。財政局の担当者は「結局、市民と直接接するのはこちらなのだが」と戸惑いを隠さない。

 試案には府が音頭を取りながら「廃止」となった事業も。高齢者を地域のボランティアが支える「街かどデイハウス事業」は、運営費の4分の3を負担する府が来年度から撤退する。「寝耳に水」と、市内13カ所で同事業を運営する八尾市の担当者。「元々、府が支援するということで始まった事業。存続を望む声が出るだろうが市ですべて賄うのは難しい」と意気消沈する。

●文化

 一方、遅くとも10年度に移転、規模縮小とされたワッハ上方(府立上方演芸資料館)の伊東雄三館長は「1000日前の今の場所で存続を、との我々の主張とは相いれない」と不満をあらわに。とりわけホールと小演芸場を廃止する案には「上方芸能の継承、発展という役割を果たせなくなる」と強く反発する。

 補助金の全額廃止が打ち出された大阪センチュリー交響楽団。運営を専門に手がける大阪府文化振興財団は「全額廃止になれば楽団は立ちゆかなくなる。署名活動で存続を訴えたい」(出野徹之常任理事兼事務局長)と言う。「(すでに補助金を削減され)団員の給与を据え置くなど、運営努力を重ねてきたのに」と悔しさをにじませる。

 府立中央図書館に蔵書を移転、法人は09年度に廃止とされた財団法人大阪国際児童文学館の北田彰常務理事は「非常に残念。当館の使命や役割をもっと理解してほしい」と言う。児童書や資料を約70万点収蔵、児童書の情報センターの役割もあり、「府立中央図書館との統合はナンセンス」と憤る職員もいた。
by miya-neta | 2008-04-12 09:38 | 教 育