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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

【レポート】子どもの権利も奪うのか - 青少年ネット規制法案にMS、ヤフーら反対表明

(1) 青少年ネット規制法案は問題点だらけ | ネット | マイコミジャーナル


[09:00 2008/4/24]ネットの今

ヤフーやマイクロソフトなどIT業界の5社が共同で、現在自民党で審議が行われている、いわゆる「青少年インターネット規制法案」に対して「効果が薄い」「表現の自由を侵す」などの反対意見を表明、業界の自主的な取り組みを行うことで法律案の撤廃を求めていく考えだ。5社は22日に、すでに自民党政務調査会の谷垣禎一会長宛に文書で意見を提出している。

国の規制基準に問題点 - そもそも有害情報の定義は?

今回、共同で反対を表明したのはディー・エヌ・エー(DeNA)、ネットスター、マイクロソフト、ヤフー、楽天の5社。自民党の青少年特別委員会で協議されている「青少年の健全な育成のためのインターネットの利用による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案」に対して、業界の努力を無視しており、始めに事業者規制ありきで協議が進んでいるとの不満を表明。

その上で、検討されている法案は、サイト管理者には有害情報を発見したらそれを削除する、ISPにはサイト管理者に有害情報の適切な処理を要求するかISP自身が有害情報を削除する、携帯電話事業者にはフィルタリングを提供する、といった対応を求めており、そうした措置を講じない場合は主務官庁からの指導、さらに従わなければ罰則を設けるという内容。5社はこれに対して大きな懸念を示す。

この法案は、自民党の高市早苗衆議院議員らが中心となって検討されているもので、高市議員から示されたという法律案の骨子を元に5社は複数の問題点を挙げている。

まず、そもそも有害情報の定義に疑問を呈しており、有害情報の定義が「どれだけ議論したものか分かっていない」(ヤフー 別所直哉法務部長)と指摘。別所氏によれば検討の中で示されている有害情報の例は「ほとんどが違法情報」(同)であり、有害情報と違法情報の区別がなされていない点を問題視する。違法情報に関しては基準が明確なためISPや管理者側で削除することは比較的容易で、削除によるISPらの責任を問われないようにするだけでいいと別所氏。

今回の法律案では有害情報を国が決める、または民間が決めて国が管理するなどの案が出てきているが、「何が有害情報かは各人の価値観によって異なる」(同)。また、有害情報を削除することによって「発信する権利を失い、表現の自由に明確な規制」(同)が行われる点を別所氏は「きわめて大きな問題」と話す。


2 保護者の意見も聞かずに子どもを守れる?

保護者不在で子どもを守れるのか

さらに目的である「子どもを守るという視点に十分な配慮がされているか」という点にも「かなりの懸念を覚えている」(同)という。そもそも、法律案の作成過程において、保護者の意見聴取が後回しになっており、保護者の意見が十分に反映されていないと指摘する。

これには会見に参加した全国高等学校PTA連合会(高P連)の高橋正夫会長も同意している。携帯電話向けのフィルタリング義務化についても、「昨年12月に総務省の会合で初めてヒアリングを受けた」(高橋会長)状況で、国とIT企業だけで話を進めていたとして「子どもを無視するのは勘弁してもらいたい」と憤る。

別所氏によれば、ある私学学校の校長は今回の法律案について「政府が家の門限を5時にしろと一方的にいっているようなもの」と話していたとのことで、「(保護者や学校が)意見を聞く機会を与えられていない」(同)と問題点を挙げる。

保護者にとっては、この法律案によって、自分の子どもに対してどんなサイトを見せるか、どういった情報に触れさせるかといった決定権が奪われると別所氏。「最終的な決定権は誰にあるのか」と別所氏は強調する。

「本当に(この法律案に)実効性があるのか。狙っているところ(子どもを守ること)に実効性があるのならまだ説得力があるが、実効性があるとは思えない」(別所氏)。

青少年ネット規制法案が不況を招く?

さらに別所氏は建築基準法・貸金業の規制等に関する法律(貸金業法)・金融商品取引法の改正による「3K不況」を例に挙げ、政府による規制が「ごく一部で発生している問題であらゆる関連事業者にしわ寄せを作った」ために不況を招いていると指摘し、今回の法律案が同様の不況を招きかねないと懸念を示す。

現在、18才未満の「98%近くが携帯電話を使っている」(高橋会長)状況で、出会い系サイト経由などで子どもが被害者になる例が増えている。しかし別所氏は、「犯罪白書などを見ると、インターネットの普及前後で子どもが事件の被害者になる数は変わっていない」と指摘。

別所氏は「インターネットはあくまで通信手段のひとつであり、その悪用を防ぐことと子どもの被害を減らすことの因果関係もはっきりしていない」と話す。その上で、啓発・啓蒙などによるリテラシーの向上によって、「時間はかかるかもしれないが、有害なものをふさいで見えないようにするよりも効果がある」(同)という。


3 国は民間の取り組みを支援する形で対応を

民間も高P連も国の一方的な方針に反対

こうした考えにもとづき、5社は共同で、子どもが安心してインターネットを利用できる環境を構築するための取り組みを実施していく。例えば保護者が安全なネット利用を子どもに教えられるように分かりやすい教材を制作したり、保護者向けの勉強会の実施、子どものネット利用状況の情報提供などを行う。保護者よりも子どものほうがネットの知識が多いという状況を改善することも狙いだ。

5社が強く訴えているのは、「現時点での法制化」の問題だ。たとえばDeNAが運営するSNS・ゲームサイト「モバゲータウン」では、有害情報などを監視するパトロール体制を強化するなどの対策を取っている。業界側でも対策を進めているところであり、「民間の創意工夫の積み重ねで解決していく途上」(同)。そのため国はまず規制するのではなく、そうした民間の取り組みを後押しする形での対応を求めている。

同様に現時点での法規制に反対を表明しているのが高P連だ。高橋会長によれば、現時点では高P連での正式な反対ではないそうだが、会長に一任されており、総意と見ていいそうだ。

高P連では特に、携帯フィルタリングについて小学1年生から高校生まで、未成年であれば一律同じ設定という点を問題視。高橋会長は、国が一方的に動いている現状は批判しているものの法規制自体に反対はせず、一方的に決められ、年代を問わず一律に設定されるような規制には反対するという立場。今回の5社とは多少立ち位置が異なるのだが、現状検討されている法律案には反対する立場は変わらないようだ。

高橋会長は、携帯フィルタリングの必要性は認めつつ、一律でフィルタリングされることで、「ネットを活用している子どもの権利を奪うのか」と批判。保護者は、子どもが親元にいる間にネットの危険性などを含めて学んでいくことを望んでおり、「そういった保護者の意見を無視して欲しくない。一方的な国の方針で子どもを振り回さないで欲しい」と強調する。

今回の法律案ではさまざまな団体が反対を表明しており、22日にはインターネット先進ユーザーの会(MIAU)とWIDEプロジェクトらも声明を発表。こうしたほかの団体などとの連携は特に考えていないそうだが、5社で共同して行う取り組みについては他社の参加も期待しつつ、「できるところから速やかに対応していく」(別所氏)考えだ。

親の意見も聞いたうえで対策を

「保護者や守られるべき子どもが望まない、効果が期待できない方法で、国という機関が一方的に推し進めるのは誰にもメリットがない」と別所氏。こうした対策で重要なのは「実際に子どもを育てている親の意見を聞きながら対応するのがきわめて重要」(同)であり、別所氏は「保護者と一緒にやっていくこと」を重視して対策を進めていく考えを示した。

「法制度を否定するものではないが、一番最後にくるべきもの。まだ法規制のないところで取り組めることがたくさんある。それに邁進している民間を後押しして欲しい」(同)。
by miya-neta | 2008-04-24 09:00 | 教 育