新学習指導要領:小中の理数時間増 「脱ゆとり」を前倒し
2008年 04月 24日
文部科学省は24日、小学校の算数と理科の授業時間を09年度から16%ずつ増やすなど、小中学校の新学習指導要領の完全実施(小学校11年度、中学校12年度)へ向けた移行措置案を公表した。中学校の数学と理科の授業時間も09年度から2~3年で22~33%増やし、小中とも完全実施前に理数の授業時間増を完了させる。学習内容も多くを前倒しして実施する。指導要領の移行措置中に、学習内容だけでなく授業時間まで増やすのは初めて。
この措置で、理数科目は「脱ゆとり教育」へほぼ移行。文科省は「系統的に積み上げる教科なので、計画的な移行が必要。現行の授業時間では学習内容の増加に対応できない」と説明している。
案によると、小学校の算数は142時間、理科は55時間増やす。算数は各学年20~25時間、理科(3~6年)は10~20時間の増。総合学習のない1~2年生は、体育も新要領に合わせて12~15時間増やす。各学年の総授業時間は週1時間(年34~35時間)増え、6年間の合計では現行の5367時間が5576時間となる。1、2年生では5時間授業の日が増え、3年生以上では6時間授業の日が増えるとみられる。
中学の数学は、09年度からの2年間で22%(70時間)、理科は3年間で33%(95時間)増やし、新要領が定める時間数に達する。総合学習や選択教科を減らすため、移行段階では総授業時間は現行と変わらない。専科教員の負担増に配慮したといい、文科省の高橋道和・教育課程課長は「段階的に授業が増えれば教員の手当てもしやすい」と説明する。
一方、高橋課長は「特に小学校は人的な条件整備が課題になる」としながらも、「必要となる手当ては来年度予算の概算要求までに詰めていく」と話すにとどまった。
前倒し実施する学習内容については、台形の面積(小5算数)やイオン(中3理科)など、教科書に記載がない内容を指導する必要がある。文科省が補助教材を用意して配布するという。
また、09年度からは小学3~4年の社会で「47都道府県の名称と位置」を教える。教科書のいらない道徳、総合学習などは、新要領を前倒しして適用。新要領で必修となる小学5~6年の外国語活動は、移行期間中も各校の判断で実施可能(最大年35時間)とする。
文科省は25日から、移行措置案への意見を受け付け、5月末にも告示する。高校入試に前倒し分の学習内容を反映させるかは今後検討し、告示と同時に各都道府県に通知する。【加藤隆寛】
毎日新聞 2008年4月24日 20時44分
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