大分県教委汚職 計100人分 合格依頼把握 二宮被告供述 検察1年6月求刑
2008年 09月 26日
2008年9月26日 00:03
大分県の教員採用汚職事件で、収賄罪に問われた元県教委教育審議監二宮政人被告(62)の公判が25日、大分地裁(宮本孝文裁判長)であり、検察側は「採用試験の合否決定をゆがめ、社会の信頼を損なわせる悪質な行為」として、懲役1年6月、追徴金100万円を求刑して結審した。判決は11月6日。
論告で検察側は「県教委では組織ぐるみの不正が常態化していた。教育行政の信頼に打撃を与え、責任は重大だ」と指摘。弁護側は最終弁論で「背景に県教委の口利き体質があった。長年の悪弊をすべて被告人にかぶせるべきではない」と情状酌量を求めた。
被告人質問で二宮被告は、教職員第1課長(現義務教育課長)だった2002年と03年に、小中学校教員採用試験で、自分と当時教育次長だった元大分大教授(64)に、それぞれ約50人ずつの合格依頼があり、リストを人事担当者に渡したと供述。二宮被告は県議や市町村教育長、県教育事務所長らからの依頼について「特に目をかけてほしい」との意味で丸印を付けていたという。
また、二宮被告は07年度小学校教員採用試験で当時の深田秀生・県教育長(61)、教育次長だった元大分大教授、二宮被告自身、教育審議監の富松哲博容疑者(60)=収賄容疑で逮捕=の計4人が関与した4種類の口利きリストが富松容疑者のフロッピーに保存されていた、と県警の取り調べの際に聞いたことを明らかにした。
一方、宮本裁判長は弁護側が裁判所に開示を命じるように求めていた口利きリストについて認めないとの判断を示した。
=2008/09/26付 西日本新聞朝刊=