学力向上へ府教委ら研修会 学テ結果低迷で
2008年 11月 07日
学力向上に向けた緊急対策に取り組む大阪府教育委員会は六日、府教委特別顧問で東京都杉並区立和田中の藤原和博前校長と教育委員の陰山英男、小河勝両氏を講師とした研修会を大阪市内で開き、府内の小中学校の校長ら九百五十人が参加した。
地域と一体になった学校経営の必要性を説く藤原氏
全国学力テストで大阪府の結果が二年連続で低迷したのを受け、府と府教委は十月、緊急対策を策定。藤原氏が和田中で導入した社会の仕組みを教える「よのなか」科の総合学習や、陰山氏らが推進する漢字や計算の反復授業などが盛り込まれている。
研修会で藤原氏は「学校を先生たちだけで経営する時代は終わった。学校と地域が両輪となって経営すべき」と強調。成績が上位の生徒を伸ばすことで全体を底上げした和田中の例を紹介し「遠慮なく上の子を伸ばしてほしい」と呼び掛けた。
一方、陰山氏は「学力テストで三たびぶざまな結果を出すことはできない。一生懸命やって結果が出ないのは最悪。プロの自覚を強く持ってほしい」と厳しい口調で注文。小河氏は「子どもたちが荒れるのは授業が分からないのが要因」として「しっかりした計算力を付けることで一挙に流れが変わる」と説明した。
この後、質疑の時間が設けられたが、参加者から質問は出なかった。終了後、藤原氏は「先生が分かっていることを言葉にしたので納得したため」、陰山氏は「厳しく言ったので戸惑いがあったのでは」と述べた。
2008/11/07のニュース